Q: 人手不足より深刻な人材不足
アベノミクス効果なのか、急激な人手不足社会とかした日本。ひと昔前では働きたくても働き口がないという記事やニュースが取り上げられたものだが、今では企業側が募集しても応募がないというニュースへ変わってきている。元気な高齢者や女性の登用で補おうという政府の指標のもと、進んでいるが、実は日本社会が直面している問題は人手不足という単なる数が足りないだけではなかった。最も問題なのは技能や技術を持った「人材不足」であった。そこで今回の記事では、人手不足と人材不足の違いから人材不足解消への糸口をご紹介する。
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1.人手不足と人材不足の違い
1.人手不足と人材不足の違い
冒頭でも簡単にご紹介したが、人手不足と人材不足の違いをご紹介する。
人手不足=働き手が足りない状態
人材不足=必要な能力や技能をもった人がいない状態
分かりやすく野球で例えると、
人手不足とは試合が出来る9人に足りない状態。
人材不足とは9人以上チームにいるが投手を出来る人が1人もいないような状態。投手の人材不足の状態。
企業においては免許制の職種も多く、調理師やタクシードライバー、建築士、保育士などは人材不足に既になっている。
免許制ではなくても企業における業務の中で様々な技能や技術が必要なものも多く、そのような業務を行う人材不足になっている企業も多い。
2.人材不足になってしまった理由
2.人材不足になってしまった理由
人材不足となってしまった理由は免許制の業種と免許制ではない業種で若干違いがある。
免許制の業界は主にその業種へ就職するために、資格の取れる学校へ進学することが多い。調理師や保育士は高校や大学進学時の進路選択時に選択し、進学することが多い。年齢にすると15歳や18歳で将来を考え選択することとなる。社会経験も人生経験も少ない若者が、その時点で選択する程の魅力があるかどうかということになる。
保育士の低賃金の問題やモンスターペアレントはニュースで取り上げられ、調理師、例えば寿司屋では何年もかけて握りを完成させるという風潮が知れ渡り、どちらも厳しい・辛いなどの負のイメージがついていることが多いのではないだろうか。このような状況からわざわざ、その職業を選択する人はとにかく子供が大好きというような人だったり、料理が好きで料理人になりたいという強い思いを抱いている少数の人に限られる。一般の企業であれば言い方は悪いが何となく入社という人も少なくないが、免許制では極端に少ない。
免許制ではない業種に関しては利益追求の為に人件費のカットという手段に依存した日本経営が原因である。正社員ではなく賃金の安いアルバイトやパートタイマー、派遣労働者などで代替することで人件費のカットを行ってきた。その結果、重要な仕事を任せられる人が減少し、人材不足へと繋がってしまったのである。
また、ある程度の企業規模になると育成の問題も存在する。優秀な社員でも新卒採用時から即戦力で働くことはできない。日々の業務のなかで実践や上司からの指導により成長していくが、この過程は体系的に整備されているわけではない。現場毎に教育の方法は異なるので、育つ環境と育たない環境と分かれてしまい人材不足の企業はどんどん深刻化していく。
3.人材不足を解消する方法
3.人材不足を解消する方法
まず、どんな業種でも当てはまる方法がある。それは優秀な人が応募してくるような環境にすることである。賃金や働き方など今までの記事でも度々記載しているが職場環境が向上すれば人は集まるし、離職防止にも効果がある。
業種により適応の可否はあるが在宅勤務やリモートワークと呼ばれる働き方を実現した場合、都内や大阪と言った人が集中している地域のみならず日本全国の地方都市の優秀な人たちを採用することが可能となる。
在宅でも事務所でも同一の職場環境にする為には一定のITサービス(勤怠管理・内線電話など)の導入が不可欠だが、今後人材不足が深刻化していく中で採用の重要度は増し、採用にかける費用も増大していくことが予想される。この費用を考えればIT投資は安く、費用対効果も高いはずである。
具体的な金額を交えて例を挙げる。
ITサービスを導入すると発生する金額と導入したことで解消・改善される項目にて発生する金額を比較したい。まず、ITサービスは弊社のものだと在宅勤務が行えるように勤怠管理や在宅電話システムなどが1つのサービスとして提供される金額は導入先規模によって変化するがわかりやすく月額2万と定義する。
ITサービスの導入にて解消・改善する項目は在宅勤務などの採用により応募数や離職が防止されることから、採用費の削減・離職を防止することによる損失の減少、そして在宅勤務なので交通費の削減である。これらを具体的金額にすると採用費は年間353万円※1、離職者(入社3年未満)1人につき1800万円もの損失だという有識者もいる。交通費の削減は月の平均限度額72,917円※2と定義する。この金額を合計し月額費用とトータル費用で比較のグラフは下記の通りです。
一方免許制の業種は、環境や待遇を向上させないといけない。免許制ではないがあるスーパーの例では今までの常識では考えられない日曜休みを行ったところ売り上げは毎年UPした。このように今までの常識を覆し思い切った働き方改革を行わない限り業界全体の負のスパイラルから抜け出せない。思い切った改革をする経営者が少しでも出てくれば業界全体に徐々に広まり、新たな業界スタンダードは生まれる。
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※1 参照:マイナビニュース『年間採用経費は353万円、1人当たりの求人広告費は機電系の「64万円」が最高』
※2 参照:厚生労働省『通勤手当について』
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