Q: 介護事業所の災害・感染症対策|BCP・業務改善に効果的な介護システム
介護施設の災害対策に加え、感染症への対策も重要視される昨今。BCP(業務継続計画)の策定を機に、テクノロジーを活用した介護システムを導入する施設も増加しています。当記事では、災害時に介護施設で起こる被害事例と災害・感染症発生時に役立つ介護システムをご紹介します。
- コンテンツの目次
1.災害・感染症発生時の被害例と対策
災害発生時
自然災害による被害では、停電による高齢者への影響が挙げられます。東日本大震災のあと計画停電が行われた際には、人工呼吸器を使用している高齢者が亡くなるという報道もありました。
また、暑い夏に停電が起きた場合、熱中症のリスクもあります。エレベーターやセンサー式の介護システムなど、停電が起きた場合の介護施設への影響は甚大です。
対策:非常用電力の確保
地震災害だけでなく、気象災害による停電も増加していることから、全国各地で非常用電力の導入が進められています。導入にあたって補助金・助成金をもらえるケースもあります。
入居者や職員の命を守るだけでなく、地域の避難場所としても役立てることができます。
感染症発生時
コロナ禍では介護事業所におけるクラスターが発生しました。コロナは高齢者を中心に重症化、死亡者の8割以上が70代以上の高齢者といわれることから、感染を防ぐための厳重な対策が取られました。
直接的な影響だけでなく、入居者やその家族へ精神的な負担も。長期間の面会禁止により孤独を感じる入居者も増え、「窓越し面会」や「オンライン面会」など、多くの施設が対面せずに交流する方法を模索していました。
対策:三密を避ける工夫
コロナ前は入居者が食堂に集まり食事をする施設が多くありましたが、密集空間での食事を避けるための対策が取られるようになりました。食事時間をずらして人数を制限したり、部屋に食事を運んだりすることで三密を回避しています。
対策:買い占めに備え備品の状況を把握
2020年に発令された緊急事態宣言後には、マスクや消毒用エタノール、ペーパータオルなどを買い求める人が増加、多くの地域で品切れになってしまう問題が発生しました。
必要な物品が手に入らなくなる前に備蓄をしておくことも必要ですが、入居者の数に応じて必要な数量を把握しておくことも重要です。買い占めのニュースに惑わされず、必要以上の買い占めを防ぎましょう。
介護施設における感染症BCP作成のポイント
厚生労働省がBCP作成に関して、専門家が講義する内容を動画で公開しています。
BCP対策をまとめるにあたって、ぜひご覧ください。
令和3年度BCP作成特別講座① 介護施設における感染症BCP作成のポイント
2.BCP・業務改善に効果的な介護システム
少子高齢化の影響を受け、日本では労働人口の減少が大きな課題となっています。要介護者は増え続けると予測されているため、2021年12月の規制改革会議では、人員配置基準を現行の3対1(利用者3人に対し介護者1人)から将来的に4対1へ緩和すべきかという議論もありました。
業務の生産性を向上させるために、厚生労働省では介護現場におけるテクノロジーの活用を推奨しています。業務効率だけでなく、データ蓄積による介護サービスの改善、介護分野のイメージを刷新・人材参入を促進する効果も期待できるため導入が進められています。
スマホとICタグで介護記録をスマートに「Care-wing(介護の翼)」
スマートフォンとICタグを利用した介護記録ソフト。利用者ICタグにスマホをかざすだけで、記録やケア項目を確認・報告することができます。情報はクラウド上に保管されるため、管理者は、ヘルパーさんのサービス内容(時刻・ケア項目・バイタルなど)をリアルタイムで管理可能です。
介護事業者の依頼をもとに開発され、ヘルパーが選ぶ「現場が楽になる」「業務効率化につながる」「おすすめしたい」介護ソフトの各分野で高評価を獲得しています。
介護記録を紙媒体で保管している場合、災害時には持ち出しが困難であるため最悪すべての記録が紛失してしまう可能性もあります。日頃から情報のクラウド管理を心掛けることで、災害から記録を守るほか、利用者・職員の迅速な避難活動につながります。
災害速報を検知→ナースコールでお知らせ「Yuiコールの防災システム連動」
緊急地震速報とナースコール・館内放送を連動、いち早く情報を伝達します。家具や施設の倒壊から、身を守る時間を確保することが可能です。 火災対策機能では、火や煙・温度異常をセンサーで検知。スタッフや入居者への通知ともに通報を行います。
入居者の異常・予兆をセンサーで検知「福祉の森 見守りシステム」
居室に設置されたセンサーで入居者の状態を察知、管理画面に一括表示します。在室/離室状況や呼吸・脈拍データをPCやタブレット端末、スマートフォンなどでリアルタイムに確認可能です。
災害発生時には、入居者の安全をいち早く確認する必要があります。各居室の様子を一括で把握できるため、優先して対応すべき入居者を発見・迅速な対応が可能です。
キャリア回線がつながりにくい災害時の安否確認に「MOT/TEL」
災害対策として注目をされるクラウドPBX。すべての機能がクラウド上で完結しておりPBXを設置する必要がないため機器故障の心配がありません。
災害時には、多くの人が安否確認のためインターネットや電話を利用します。キャリア回線は繋がりづらくなるものの、家庭や会社・公共のWi-Fiを利用することで通話が可能です。入居者家族への連絡や職員の安否確認など、連絡方法として適しています。
参考:クラウド PBXとは?機能・メリット・ビジネスフォンとの違い
施設の入退室管理・在宅勤務の出勤打刻に「MOT勤怠管理」
施設の入退室管理を行うことで、災害発生時に滞在している人の情報をすぐに把握することが可能です。顔認証システムと連携し防犯対策・感染症拡大対策として活用できます。また、職員個人のスマートフォンで出勤・退勤打刻ができるため、在宅勤務でも勤怠管理が可能です。
経費申請の手間とコストを約80%削減「MOT経費精算」
経費精算・申請の手間とコストを約80%削減するシステム。情報をクラウド上で管理するため、どこでも経理業務を行うことができます。職員が出社できない場合にも、在宅で業務を継続可能です。また、紙媒体で管理する情報を削減することにつながります。
3.まとめ
介護事業所における災害・感染症の被害と、災害時にも役立つ介護システムについてご紹介しました。
2024年のBCP(事業継続計画)の策定義務化を機に、災害・感染症対策を見直す事業所も多いでしょう。万が一の事態にも利用者や職員・事業を守るための方法として、介護システムをお役立てください。
関連記事:介護事業所でBCP策定が義務化|期限や罰則は?メリットと策定方法を紹介
参考:介護の窓口ケアまど「2024年『BCP策定義務化』へ。感染症や災害への備え」
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