ビジネスフォンをクラウドPBXに乗り換える際のメリットと注意点は?
最終更新日:2022年9月29日
ビジネスフォンからクラウドPBXへ乗り換えをするということは、やはり業務を行う上で小さくない変化になります。何となく便利になると言う事はわかっていても、切り替えてからデメリットに気づいては大変です。この記事ではビジネスフォンからクラウドPBXに切り替える際のメリットと注意点を分かりやすく解説します。
そのままビジネスフォンを使い続けるか?クラウドPBX に乗り換えるか?この記事を読んでから判断してみてください。
- コンテンツの目次
1.このままビジネスフォンを使い続けてもいい?
このブログを読んでいる時点ではクラウドPBXは便利そうだけど、ビジネスフォンでも大きな問題はないし変更する必要があるのかな?と思っているかもしれません。
電話という業務を行う上で必要不可欠なものだからこそ慎重になってしまうこともあると思います。
結論から言えばビジネスフォンのままでも今後の業務を続けていくことは可能ですが長期的な目線で見るとリスクがあるかもしれません。
■社員が増えた場合に新たに電話を買い足す費用や回線を増やす際にかかる工事費。
■テレワークなどの柔軟な働き方が難しいこと。
■老朽化したした際の機器の入れ替え、点検、保守費用など
長い目で見た場合、無駄なコストがかかってしまいます。
もし今現在、乗り換えを考えているのであればやはり早い方がいいと言えます。
次の項目でクラウドPBXのメリットをまとめて紹介します。
2.クラウドPBXの豊富なメリット
前述したとおり、ビジネスフォンよりもクラウドPBXの方がコストを抑えることができます。
従来のビジネスフォンでは一台数万円~コードレス電話機であれば10万円相当の固定電話機をデスクの分だけ
購入することや、社内に主装置と呼ばれる機器の設置が必須でした。
クラウドPBXではそのような費用を抑えることができるほか、主装置をデータセンターに格納することで、機器の購入やメンテナンスの必要がありません。また設置する際の工事費、保守費用などもカットすることができます。
ビジネスフォンではボイスワープなどの利用により転送料金がかかりましたがクラウドPBXの場合は無料になります。
パーク保留などの機能がついているものもあるため、ビジネスフォンと変わらない機能で転送料がそのまま無料になるイメージです。
また固定資産税の意味でも、現物を所有しないクラウドPBXは課税対象にならないため、節税の意味でもお得と言えます。
クラウドPBXの大きな特徴として、社員のスマートフォンやPCをそのままビジネスフォンのように使用できることがあげられます。
スマホから会社の番号で発信することができ、会社番号への着信には設定した社員のスマートフォンに取り次げます。電話専用のアプリを利用する為、出張時や移動時にも会社番号で発信可能で、個人の携帯番号で利用することが無くなりプライベートと仕事をしっかりと分けられます。
従来のビジネスフォンでは社内に主装置と呼ばれる機器の設置が必須でしたが、クラウドPBXでは主装置をデータセンターに格納することで、機器の購入やメンテナンスの必要がありません。
インターネットさえあればどこでも利用できるため、現在の4Gから5Gへ移行したことで通信環境が大幅に改善されている携帯端末と大変相性が良く、安定的に通話を行えます。PCで利用する場合もヘッドフォンなどで通話を行うことで両手でPCを操作しながら通話を行えるなどのメリットがあります。
さらに別の支店や、社外にいる社員への電話もクラウドPBXなら無料で行うことができるため顧客対応以外の不要な電話代を削減することができます。
3.導入がスピーディーで組織体制の変化にも柔軟に対応
機器の導入や設置、工事なども含めビジネスフォンの導入には数か月かかる場合もありますが。機器の設置を必要としないクラウドPBXの場合は最短で1~2週間でスピーディー導入することが可能です。
その為、社員が増えた場合などにもその都度工事を行う必要が無く、設定を変更するだけで利用できます。
支店が増えた場合にも従来のビジネスフォンでは新たに電話番号の取得、機器の購入、工事などを行う必要が出てきますが
クラウドPBXの場合は新たな支店でも同じ番号で運営するという選択が可能になります。移転の際も以前の番号を変わらず利用することができるため、すでに定着した自社番号の変更を知らせる為の手間や宣伝費を抑えられます。
4.従来のビジネスフォンでは使えなかった豊富な機能
クラウドPBXは電話転送やパーク保留などビジネスフォンに備わっている機能は備わっていますが、それ以上に今まで利用できなかった豊富な機能を有しており、顧客対応に大きな変化をもたらします。
■着信時に顧客情報を表示できるCTI機能
PCで通話を行う場合、着信時に顧客情報がポップアップされるCTI機能を利用することができます。
ビジネスフォンにも番号を表示する機能はありましたが、CTIの場合は顧客の名前、会社名、住所などの情報に加え
以前担当した社員の名前や、対応内容なども表示されるため要件の2度聞きが無くなり対応がスムーズになります。
ヘッドセットを利用すれば、対応中にPCに今回の対応内容を記載することができ、次回の対応に生かせます。
ただ、現在お使いのCRM(顧客管理システム)がある場合、そちらのシステムと連携できるクラウドPBXを選択する必要があります。
■全ての外線通話を録音可能
クラウドPBXにはオプションで全通話録音が行えるものもあります。
顧客対応を録音しておけば、万が一トラブルが起きた場合の確認や、新人の電話対応の教育にも役立ちます。弁護士事務所などでは録音を禁止されている通話もある為、あらかじめ録音しない番号などを設定することが可能なクラウドPBXを選択する必要があります。
■自動音声案内(IVR)で間違い電話や営業電話も激減
着信時に要件を切り分けることができる自動音声案内(IVR)が利用できるようになります。
初めての顧客や既存ユーザーなどで着信先を変えることができ、要件ごとに窓口を変えることで顧客が求めている情報にいち早く電話を回すことができます。
弊社の調査でIVR機能を導入した際に間違い電話や営業電話が8割減少したデータもあります。
参照:IVRとは?
3.クラウドPBX導入の注意点
ここまでクラウドPBXのメリットを紹介してきましたが、導入する際の注意点もあります。
導入後に後悔の無いようにしっかりと確認しておきましょう。
1.インターネット回線と音質の確認
クラウドPBXはインターネットを使って通話を行うIP電話というシステムで通話を行います。そのためインターネットの通信環境の無い所では使用することができません。
社内のネット環境が整備されているかどうか、テレワーク社員の自宅にネット環境が構築されているかどうかなど導入前に確認してから導入を行う必要があります。
また、クラウドPBXの音質も会社によって違う為あらかじめテストや無料トライアルを試してみてからの導入がおすすめです。
テレワークなど自宅やサテライトオフィスなどで勤務する場合、社員の自宅や勤務環境のネット環境を確認し通信料金などでトラブルが起きないように事前に話し合っておくことも大切になります。
クラウドPBXにすることで料金が全体的に割安になると紹介しましたが、例外もあります。
クラウドPBXは機器の購入費や工事費などはかかりませんが、サブスクリプション型で月額料金が毎月発生します。
決まったID数を決まった月額で払っていく為、もし現在ビジネスフォンのリース期間が残っており2重で支払いが発生してしまう場合などは割高になってしまうこともある為しっかりと確認しておきましょう。
ただ一般的なビジネスフォンのリース費用が月額50,000円~80,000円(20台換算)程度なのに対しクラウドPBXは1~20IDで月額3,980円から利用できるためリース期間が終わっていれば、導入した方が安くなる可能性が高いです。
→参照:株式会社 eclore ビジネスホンリースの料金相場と算出方法・費用を安く抑えるコツ
また前項で紹介した、通話録音やIVRなどのサービスを使う場合別途オプション料金が発生する為、利用を考えている場合
そちらもしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
市外局番(03、06など)の番号を利用している場合にはそのままクラウドPBXに番号を引き継ぐことができるため問題は無いですが今後新規で050から始まるIP電話の番号を取得する場合、注意が必要なのが110(警察への緊急通報)や119(消防・救急への緊急通報)など発信できない番号がある為、緊急時や災害時などには注意が必要です。
050番号は電話回線を引くことなく利用できる為新規で番号を取得する場合大変使いやすいですが、電話番号としての認知度が高くない為顧客対応を考えるとやはり市外局番を使った番号が緊急時にも安心と言えます。
4.どんなクラウドPBXを選べばいい?
クラウドPBXを提供している会社はいくつもありますがどのような基準で選んでいけばいいでしょうか。
1.音質や通信の安定性
クラウドPBXの音質には会社によってバラつきがあります。
無料トライアルなどがある場合は導入前に各社の音質や安定性、音ブレや遅延が無いかどうかの確認をするのがベストですが、すべての会社が提供しているサービスを試すのは現実的ではありません。
一つの基準として、データセンターが全国に配置されているかどうかはわかりやすい基準になります。
クラウドPBXは限られたサーバーで多数の電話回線を管理することになります。特定のサーバーのみに負荷がかかれば時間帯により通話が不安定になる等の不具合が起こる可能性があります。
クラウドPBXはデータサーバーと電話システムを連携させて通話を行う為、どちらも自社開発を行っているかを確認しましょう。電話という重要なインフラだからこそ、すべて自社開発のものでなくては不具合が起きた場合、サポートが十分に受けられず対処が遅くなってしまいます。
クラウドPBXには様々なものがあり、そのまま現在の電話番号を継続して利用できるものもあれば、導入時に新たに番号を取得しなくては利用できないサービスもあります。
電話番号を変更するのは、せっかく定着した電話番号を捨てることになり顧客への通知も大変。せっかく導入するのであれば現在の電話番号を利用してクラウドPBXを導入した方が圧倒的にメリットが大きいです。
電話番号を継続して使えるかを確認しましょう。
更に現在お使いのビジネスフォンもせっかくだから壊れるまでは継続して利用したい・・と考えている場合もあるかと思います。
他社アプリなど別サービスと連携しての通話を行う必要があるサービスではビジネスフォンの継続利用は不可能です。
また現在お使いのCRM(顧客管理システム)などに顧客情報が蓄積している場合に連携が可能かという点もチェックしておきましょう。
5.クラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」
当記事で紹介するクラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」はPBXの開発研究を始めて15年以上の実績を持ち、公表されている中では最も導入社数の多い27,000社を超えるクラウドPBXサービスです※弊社による調査
アプリからサーバーまですべて自社開発で行っているためサポートを迅速に行うことができます。
従来の置き型PBX(主装置)を長年開発・研究してきた経験とノウハウを活かして誕生した自社開発のクラウドPBXです。
自社番号をそのまま使った安定した通話を行えるほか、kintone(キントーン)や楽テルなど他社CRM(顧客管理システム)連携も豊富です。
モッテルでは1つのデータセンターへ接続が集中することで、通話が不安定になることが防ぐため専用サーバーを東北、関東、東海、北陸、中国・四国、九州の地域毎それぞれ設置することでより一層安定した通話を実現します。
6.クラウドPBXを利用している現場の声
以下に実際にクラウドPBX「MOT/TEL(モッテル)」を利用している現場の声を見て実際に利用した場合のイメージを掴んでみてください。
コスモポリタン法律事務所様
- 【導入前の課題】
- ・事務所に誰もいない時間に電話に気づかない
- ・社外で事務所番号で発信・折り返しできない
- ・着信時に発信者の情報を確認したい
- ・発信者によって録音を除外したい
- 【導入後の効果】
- ・どこでも事務所の電話をとれるようになった
- ・社外でも事務所番号で発信・折り返し可能に
- ・着信時に発信者の情報を確認可能に
- ・裁判所以外の通話を自動録音
コスモポリタン法律事務所様の事例では特に通話録音に関して工夫をしてクラウドPBXを構築しました。コスモポリタン法律事務所様は通話録音は導入したいが、裁判所の通話は録音してはいけないことになっているので裁判所を除外したいというご要望。当社のクラウドPBXで、通話録音の対象として裁判所を除外設定し、その他の通話を自動で録音されるように構築しました。
株式会社WORK SMILE LABO様
- 【導入前の課題】
- ・着電が非常に多く、社内だけで電話対応するのが負担
- ・電話が複数かかってきた時に対応ができない
- ・育児などで社員に退職の可能性があり、テレワークを導入する必要があった
- 【導入後の効果】
- ・社内組に集中していた電話対応をが分散できるように変化
- ・複数の電話がかかってきても過不足なく対応ができるように変化
- ・どこにいても電話対応が可能になったため、テレワークの導入がしやすく変化
株式会社WORK SMILE LABO様は小さなお子さんがおられるパート社員さんの離職防止で、テレワークを導入することになり。クラウドPBXを検討。価格が最安クラスであったことと、ITリテラシーが高くなくても直観的に使える操作性でMOT/TEL(モッテル)を選択。
フジイ印刷株式会社様- 【導入前の課題】
- ・製造業でテレワークの導入が難しい
- ・自宅や営業先の往復で移動時間が1日4時間あり、事務作業のためテレワークを導入したい
- ・社員が対応する電話の本数が多く、対応が大変
- 【導入後の効果】
- ・管理部門や事務作業に焦点を絞ってテレワークを導入
- ・iPhoneがビジネスフォンの代わりになるため社外でも電話対応が可能に
- ・IVRの導入で不要な電話対応が大幅に減少
固定電話が不要になりiPadやiPhoneだけで業務が完結するという理想を描いていたので、iPhone1台で固定電話やFAXの役割を担うMOTの仕組みがマッチしていた。 固定電話の契約を更新した場合よりも総額が安くなることが分かり、導入を決定。
7.まとめ
最後に、ビジネスフォンからクラウドPBXに乗り換える際のメリットと注意点をまとめて確認しておきましょう。
【クラウドPBXを導入するメリット】
- 1:社員が増えるたびに工事や機器の購入をする必要が無い
- 2:転送料金が無料になる
- 3:社員間、拠点間の通話が無料になる
- 4:固定資産税の意味で節税になる
- 5:ビジネスフォンの機能をそのままにスマホで使える
- 6:出張先やテレワーク時に個人の電話番号を使う必要が無くなる
- 7:支店が増えた場合や移転の場合でも今までの電話番号を利用できる
- 8:ビジネスフォンでは利用できなかった豊富な機能が利用できる
- 1:会社やテレワーク社員の通信環境を確認
- 2:ビジネスフォンのリース費用期間をしっかり確認
- 3:乗り換え時の取得番号により、110番などの特番に掛けられなくなる場合がある
- 4:乗り換えるクラウドPBXの音質や通信環境を事前に確認
使い慣れたビジネスフォンをスマホやPCでの通話に切り替えることは社員への説明や使い方を覚えることも含めてある程度のハードルを飛び越える必要があります。
長期的なコストの総額や、柔軟な働き方による離職率の改善などを考えたうえでもなるべく早く導入することが大切です。
クラウドPBXメリットと注意点をしっかり確認し今後の働き方の参考にして頂ければと思います。
カテゴリ: クラウドPBXの基礎知識 関連キーワード: PBX, ビジネスフォン, 乗り換え, 変更