Q: BCP対策(事業継続計画)とは? BCP策定の考え方や考慮するリスク
BCP(事業継続計画)やBCP対策という言葉自体はどこかで聞いたことがあるけど、具体的に理解していない人や策定していない企業が多いのではないでしょうか?
そこで本記事ではBCPとは?BCPの策定をする為に必要なコトなどを解説していきます。
- コンテンツの目次
1.BCPとは?
1.BCPとは?
BCPとは、Business Continuity Planの頭文字を取った言葉で、日本語では事業継続計画と呼ばれます。企業が自然災害やテロ・取引先の倒産などの状況においても、重要な業務が継続出来るように方策などを計画しておくことです。
日本でBCPやBCP対策が必要だと強く認識されるようになったのは2011年の東日本大震災からだと言われています。また、同年7月から3ヶ月以上続いたタイの大洪水なども影響しています。いづれにしても自然災害など防ぐことが出来ない事由によって事業の継続が困難になりました。そのような状況になってから「どうするか?」「どのような方法で?」「責任者は?」などを定めても事業が普段通りまで回復するまで時間を要します。そのような計画を事前に決めておくことが必要だということでBCPが広がりました。
2.BCPの導入・策定割合
2.BCPの導入・策定割合
内閣府が行った「平成29年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」ではBCPの策定した割合調査では大手企業で64%が策定済みです。「策定中である」を含めると大企業の80%以上がBCPの策定に関して行動を起こしていることになります。
一方中堅企業では、大企業程進んでおらず、策定済みは31.8%、策定中を含めても45%程と過半数に届いていません。
参照:内閣府:防災担当「平成29年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」
大企業に関しては国外の拠点なども多く抱えているので、BCPの策定はかなり高い水準でされています。中堅企業にとってはBCPの策定はハードルが高いようです。
3.BCP対策の策定に必要なコト
3.BCP対策の策定に必要なコト
BCPについて内容は理解しましたが、具体的に何を準備すれば良いのでしょうか?まずは実際に被害にあった企業が有効であった取り組みを参考にしてみましょう。下記は被害を受けた際に有効であった取り組み(上位5項目)です。
上記の取り組みはBCPというより人命救助や社員の安全・健康を守るという観点が強いようです。社員の安全や健康を守ることは企業として義務ですので上記の様な取り組みは必要です。しかし、社員がすべて無事であったとしても事業の継続が出来ないことも多く、BCPではその観点の策定も必要です。
まずBCP策定のために、どのようなリスクがあるのか把握することが重要です。
事業が継続出来なくなるほどのリスクは、
- ・自然災害(地震・津波・台風・大雨・洪水・落雷・竜巻)
- ・事故(火災・爆発・漏電・機器の故障・停電・断水)
- ・政治(テロ・戦争・革命・政治的亀裂による不買運動、破壊行為)
- ・経営者・幹部の突然の喪失
等が挙げられます。リスク毎にBCPで策定しておく内容は異なります。下記リンクは内閣府が策定したBCPの文章マニュアルです。
参照::内閣府「 事業継続計画(BCP)の文書構成モデル例」
BCPの内容は少なくとも具体的に、
- ・BCPの発動基準
- ・事業継続のための代替方法
の2つが必要です。発動基準が曖昧だと労働者は正常業務と緊急時の対応どちらを取れば良いのか迷ってしまいます。発動基準が明確であれば労働者は迷いません。
また、緊急時に今まで業務を行っている場所・人・システム・インフラが利用出来るとは限りません。もし使えなくなった場合の代替案を検討して置く必要があります。
BCP対策として有効なシステムはこちら
4.BCPの次のステージ
4.BCPの次のステージ
事業継続計画であるBCPは緊急時の代替案などを策定することであり、緊急時に有効とされていますが、実際緊急時にいきなり「今までと違うやり方・システムで代替しろ」というのは難しいのです。そこで最近注目されているものがBCMやBCMSという考え方です。 BCMとはBusiness Continuity Managementの頭文字を取った言葉で、事業継続マネジメントと言います。BCPが緊急時の計画策定とするとBCMが緊急時に利用するサービスなどを常日頃から使用し緊急時における問題点を把握し改善などを行うことを言います。すなわち、平時の際のマネジメントです。下記が内閣府が発表しているBCMのプロセスです。
参照:内閣府「事業継続ガイドライン」
全社的な経営と結びついたBCMをBCMSと言い、BCP策定やBCMもBCMSの一部であります。
一般的に現在の日本においてのBCP対策と呼ばれるものは、実はBCMの部分も多く含んでいます。緊急時にも業務が行えるようクラウドサービスを導入し常日頃からテレワークとしても利用している場合などが当てはまり、実際に常日頃から利用することはシステムを使い慣れている分、緊急時の負荷を軽くします。いわゆるテレワークシステムはBCMであるとも言えます。在宅勤務やサテライトオフィス勤務などのテレワークはオフィスに出社しなくても業務が行えます。その為、テレワークシステムは業務を効率化するだけでなく緊急時の訓練をしている状態とも言え、BCMとしても有効なのです。
この様に働き方改革としてテレワークを進めることはBCP対策・BCMにも繋がるので検討してみてはいかがでしょうか?
テレワークに最適なリモートアクセスの詳細はこちら
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