Q: PBXとは? レガシーPBXからクラウドPBXまでメリット・デメリットや選び方をご紹介
1.PBXとは電話交換機のこと
PBXとはPrivate branch exchangeの略称で、複数の外線電話番号や内線電話機と接続するための電話交換機のことをさします。
PBXを導入することによって、複雑になりがちな電話回線を一つの電話番号へ集約し、拠点間の電話を一元管理することができます。電話回線をPBXで一つまとめることによって、外線や内線を効率よく活用することができるのです。
さらに、離れた複数の拠点を内線化することで、通話料金のコストダウンも可能になります。
近年では基本的な機能は従来のPBXと変わらず、IPネットワークを利用する事でより高度な機能を備えている「IP-PBX」や「クラウドPBX」が注目を集めています。
2.PBXでできること
●内線間の無料通話
拠点間接続をすれば、遠隔地であってもPBXを介して内線同士で通話できます。
その場合、外線は利用しないため、通話料金は発生しません。スマートフォンを内線化している場合も同様です。
そのため、通信コストの大幅削減を目指せます。
海外拠点との通話であっても別拠点間で内線化した場合、IP-PBXやクラウドPBXであれば無料で通話が可能です。
●内線転送機能
転送機能とは、着信をほかの電話機に受け渡す機能です。
不在転送:不在時、あらかじめ指定した電話機に転送
着信選択転送:指定の着信を事前に設定した電話機に転送
応答遅延転送:応答に一定の時間を過ぎた場合にあらかじめ設定した別の電話機に転送
圏外転送:スマホ等を内線化している場合に、圏外のときに別の電話機に転送
保留転送:一度通話した後、保留ボタンを押して別の電話機に転送
●録音・着信データ分析
通話内容の録音記録が可能
着信の回数や通話時間を記録し可視化することもできる
●パーク保留
外線着信を保留した場合に、保留処理をした電話機以外でも応答できます。
通常の保留は、受話した電話機のみが保留状態となるため、転送先を特定し別の電話機に転送をします。
一方、パーク保留はPBXに接続されているすべての電話機が保留状態となります。対応可能な従業員が自身の電話機でパーク保留を解除する事ができます。
●着信制御・発信制御
契約している外線番号(親番号)と実際に発着信させたい部署の電話番号(子番号)を紐付けし、発着信を管理する機能です。
発信時には部署ごとに電話番号・電話回線を選択できます。また着信時には電話番号によって着信する電話回線を振り分けます。
回線契約を1つしかしなくても電話番号を複数利用できるため、コストを抑えて複数番号を利用できます。
スマートフォンや別拠点も内線化できるなど範囲が広いことがPBXの最大の特徴です。
3.PBXとビジネスフォンの違い
PBXとビジネスフォンはひとつの回線を複数の内線電話機で共有し、外線と内線、内線間を共有・制御できる共通点があります。
一見、両者共に同じですが、ビジネスフォンはPBXと比べて使える台数や機能に制限があるといった違いがあり、得意とすることが異なります。
●ビジネスフォン
ビジネスフォンは接続可能な電話機の台数が50台程度のものが多く、比較的小規模で一拠点での運用向けです。
利用規模や機能が抑えられる分コストも比較的安価で、数百万円程度で導入できるという利点があります。
ビジネスフォン
●PBX
一方、PBXはビジネスフォンと比較すると、大規模運用が可能で機能も豊富。
しかし、クラウドを導入する以外は初期費用が高くなります。
しかし、クラウドPBXは小規模で運用することもできてその分初期費用を抑えられるため、事業所の規模やコスト面にとらわれずに導入することが可能です。
クラウドPBX
PBXの場合 | ビジネスフォンの場合 | |
---|---|---|
特徴 |
・複数拠点間の内線網の構築ができる ・PC・スマートフォン等との連携で、コスト削減や業務効率化ができる ・複雑な構築でも可能なのでコールセンターなどでの活用が可能 |
・拠点間の内線網の構築はできない ・外線の自動転送や留守電、音声自動応答、着信拒否など、外線利用時の機能が充実 |
接続できる電話機の数 | ・数千台まで接続可能 | ・数十台から数百台まで |
接続できる内線・外線の種類 | 【外線】 ・ISDN回線、アナログ回線、IP回線(LAN直接収容) 【内線】 ・多機能電話機(ビジネスフォンの標準電話機)、家庭用電話機、PHS、IP回線、ISDN回線 |
【外線】 ・ISDN回線、アナログ回線、IP回線(LAN直接収容) 【内線】 ・多機能電話機(ビジネスフォンの標準電話機)、家庭用電話機、PHS、IP回線 |
●PBXとビジネスフォンを選ぶポイント
- 小規模1拠点ならビジネスフォンもおすすめ
- 大規模複数拠点ならPBXが便利で通信コストの削減になる
- クラウドPBXであれば、小規模1拠点でもあっても大規模複数拠点でもおすすめ
4.PBXの種類ごとのメリット・デメリット
PBXには3種類あります。
どのようなPBXがあり、どのように選ぶのか、メリットデメリットで紹介致します。
①レガシーPBX
レガシーPBXとは、社内に専用の機器を設置し電話機を電話回線でつなげるタイプの従来型のPBXです。オフィスにPBX本体を設置して使用します。
電話線を使用するため、導入時やオフィスの内装工事を行う際には、専門の業者に依頼する必要があります。
さらに、電話線が届く範囲でしか接続できないため、届かない場合は拠点ごとにPBXを設置する必要があります。
IP‐PBXやクラウドPBXとの大きな違いは、
「PBXに必要な機器をすべて社内に設置するオンプレミス型であること」
「インターネット回線を使用しないこと」
です。
レガシーPBXの メリット |
・社内の電話回線を有効活用できる ・インターネット回線を使用しないため、ハッキング等の心配がなく安心 ・インターネット回線の影響を受けない為、通話品質が高い ・サーバダウンや停電の影響を受けない ・ランニングコストは機器のメンテナンス費用や機器更新費用だけなので、長く利用できればコスト削減になる場合も |
---|---|
レガシーPBXの デメリット |
・機器を購入するため、初期費用が高額になる ・機器の設置場所の確保が必要 ・機器のメンテナンスは自社で対応しなければならない |
レガシーPBXは導入や管理に要するコストの高さが課題になります。
②IP‐PBX
IP-PBXはIP網を用いるPBXのことで、電話線ではなくIPネットワークを利用して通話する電話交換機です。IP‐PBX用の交換機器を自社内に設置するタイプと、IP‐PBX用ソフトウェアを自社のサーバーにインストールするタイプの2種類があります。
社内LANが必要になりますが、すでに整備されている場合は社内LANを利用してシステムを構築するので専用の機器や電話回線の工事が不要になり、初期費用を抑える事ができます。
インターネットを介して複数拠点の接続が可能になるので場所の制約がなく、すべての拠点を内線で接続できるため通信コスト大幅な削減につながります。
パソコンとの連携性が高くなり、CTIなどのパソコン上のアプリケーションを業務で利用でき、効率化できます。
IP‐PBXのメリット | ・社内LANが整備されている場合は初期費用が格段に抑えられる ・IP電話を使うので通話料が一律で、PC・スマートフォンなどを電話機代わりにすることも可能 ・インターネット回線を使って内線化できるので、海外拠点でも内線化が可能 |
---|---|
IP‐PBXのデメリット | ・社内LANが整備されていない場合、工事費などのコストがかかる ・機能性の高い交換用の機器もしくはソフトウェアを導入する場合は、初期費用が高くなる ・インターネット回線の影響を受けるので通話品質が安定しない場合がある ・ハッキングのリスクが高くなるので、IDやパスワード管理を厳重にする必要がある |
電話回線や固定電話機が無くても運用可能なので、レガシーPBXに比べると気軽に導入しやすい一方、回線を使用するため、ハッキングのリスクが伴います。
セキュリティ対策に気を配る必要があることと社内LANが必要なことが、IP‐PBXの注意点です。
社内LANが完備している場合や、アナログ回線対応の固定電話機を使用したい場合などに向いています。機能性を追求すると初期費用がかさみますが、大規模な企業となると費用対効果が見込めます。
③クラウドPBX
クラウドPBXはインターネットを経由し、クラウド環境で提供されているPBXを利用します。
オフィスにPBX本体を設置する必要がないため、導入コストの削減や、事業の移転・拡大にも柔軟に対応できるメリットがあります。
レガシーPBXやIP‐PBXと異なり、メンテナンスはベンダーが実施するため、電話交換システムを自社管理する必要がありません。
電話交換システムを自社管理しない分、導入費用が安価で気軽に導入できるのが特徴であり魅力です。
さらに、スマートフォンをビジネスフォンとして活用できるため、各端末から代表電話番号での発着信も可能です。
クラウドPBXのメリット | ・PBX用の機器や回線を整備する費用が不要であるため、初期コストを大幅に抑えられる ・システムの運用保守は提供事業者が行うので管理のための人材の確保も不要 ・レガシーPBXやIP‐PBXと比べて運用開始までの期間が短い ・IP電話を使うので通話料が一律で、PC・スマートフォンなどを電話機代わりにすることも可能 ・インターネット回線を使って内線化できるので、海外拠点でも内線化が可能 |
---|---|
クラウドPBXのデメリット | ・毎月の利用料金が発生する ・セキュリティなどが提供事業者に依存するので、セキュリティ面や事業者選びに注意が必要 ・インターネット回線の影響を受けるので状況によっては通話品質が安定しない場合がある |
デメリットを抑えるためには、事業者や回線の選び方が重要になってきます。
クラウドPBXは導入コストを抑えられるので、PBXの中でもっとも小規模事業者に向いています。PBXの多彩な機能を利用したい小規模事業者や、事業所の外から電話対応する機会が多い場合やテレワークにも適しています。
5.自社に最適なPBXを選ぶためのチェックポイント
自社に最適なPBXを選ぶため確認したいポイントについて社内の状況を確認してみましょう。
1. 現状のインフラの確認
まずは、現在すでに整備されたインフラがあるかどうかを確認してみてください。
既存のインフラの整備状況に応じて導入コストが変わるため、コストパフォーマンスの高いPBXの種類が変わります。
電話回線が整備されている | ▶ レガシーPBXの導入コストが抑えられる | |
---|---|---|
社内LANが整備されている | ▶ IP-PBXの導入コストが抑えられる | |
いずれも整備されていない | ▶ クラウドPBXが、導入コストをもっとも抑えられる |
いずれも、既存の設備の利用で初期費用は変動し、無理なく選べば導入コストを抑える事ができます。
設備の状況と自社の勤務形態、メリットデメリットと合わせて、よく検討しましょう。
2.機能を把握する
業務の状況やPBX導入の目的や、自社に必要な機能や性能は何なのかも、検討を開始する前に必ず確認します。PBXの種類によって対応する機能や得意な性能が異なるためです。
以下のように、ニーズに応じておすすめのPBXは異なります。
●ニーズ例
通信の安定性を重視したい | ▶ 電話回線を使用するレガシーPBXが通信品質が安定します |
---|---|
保守管理に人材や手間をかけたくない | ▶ 保守管理は提供事業者にお任せできるクラウドPBXがおすすめ |
事業の拡大・縮小などに対応したい | ▶ 規模や機能の変更が簡単なクラウドPBXがおすすめ |
海外拠点とも内線で通話したい | ▶ クラウドPBX、IP-PBXがおすすめ。 レガシーPBXは電話回線を使用するため海外拠点の内線化はできません |
もっとも重視したいニーズは何かを明確にし、そのニーズに強いPBXを選ぶことで、導入失敗を防ぐことができます。
3. コストは導入費用と維持費用の両方かかってくる
PBXの導入理由としてコスト削減効果を確実に発揮させるためには、導入時だけでなく維持費用も含めて試算する必要があります。
導入時には費用が抑えられても、月々のランニングコストがかかってしまってはコスト削減の効果は充分に得られません。
維持費用としては、レガシーPBX・IP-PBXで必要な保守管理の人件費や機器の更新費用があります。
クラウドPBXでは、オプション利用料が想像以上にかかりコスト削減につながらない事があるのできちんと比較・確認しましょう。
また、企業規模によっても適したPBXが違います。導入以前に利用していた電話番号はクラウドPBXに引き継げるか、複数拠点や海外拠点への導入実績はあるか、また、セキュリティ面や人材面で不安がある企業はサポート体制の充実したものがよいでしょう。
導入目的や利用規模に応じて自社が求める特徴を備えたPBXを選ぶ事が大切です。
6.MOTシリーズのPBX|IP-PBX「MOT/PBX」・クラウドPBX 「MOT/TEL(モッテル)」
IP-PBX「MOT/PBX」
自社開発のIP-PBX「MOT/PBX」はMOTシリーズ累計27000社以上に導入されているMOTシリーズの電話サービスです。
音質などを評価され官公庁にも導入されました。無料で実際にお使いいただけるデモもありますので是非お試しください。
クラウドPBX 「MOT/TEL(モッテル)」
「MOT/TEL」は、15年以上の開発実績を持つクラウドPBXです。日本で開発されているため、なじみやすい操作性、品質、サポート体制を評価いただき「ITトレンドのPBXカテゴリで全体満足度星5最高評価」を獲得。
使いやすさ、音声品質や通話の安定性から、累計の導入実績は27,000社以上となっています。
まとめ
PBXは電話の発着信に関する利便性を飛躍的に向上させます。
複数拠点間の内線網を一元化し、通話環境の整備はもちろん業務効率の改善を担います。リモートワークなど多様化する働き方への対応、これからの企業には欠かせない電話システムです。
自社にあった種類や機能を見極めましょう。
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