Q: 深刻化する清掃業界の人手不足、原因と離職率を下げる方法
慢性的な人手不足に悩まされている現代で、特に深刻な悩みを抱えている清掃業界。当記事ではスタッフが定着しない原因や人手不足に伴って起こる課題を解説、今後も続く人手不足にどう対処すべきか3つの方法をご紹介します。
- コンテンツの目次
1. 清掃業界の現状と課題
続く人手不足、人材確保は困難な状況に厚生労働省による発表によると、ビル・建物清掃員の有効求人倍率は高い水準で推移。2017年度には有効求人倍率が2.95に達しました。
建築物衛生法の適用対象となる特定建築物(※)が年々増加しており、人材の確保が困難な状況にあります。
※特定建築物:興行場、百貨店、店舗、事務所、学校等の用に供される建築物で、延べ面積が3,000平方メートル以上(小学校、中学校等は8,000平方メートル以上)のもの
清掃業界は非正規雇用のスタッフが多く、離職率が高い傾向にあります。
日中の限られた時間や夜間・早朝・休日に働くため、他の仕事と掛け持ちで働く人が多いからです。本業で十分な収入を得られるようになると辞めてしまう人も多く、「人材は入れ替わるもの」と考える企業も多いようです。
さらに、スタッフの高齢化が人手不足に拍車をかけています。清掃業に関わらずスタッフの高齢化が進む業界は多くありますが、若者の採用難や定着率の低さから特に人手不足が加速すると考えられています。
公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が2019年に行った調査によると、人手不足に伴い生じる課題として以下のようなものが挙げられています。
課題① スタッフ1人あたりの業務負担が増加
スタッフが減ることで一人当たりの業務負担が増加。長時間労働・長時間拘束の原因となり、離職率をさらに高める要因になることもあるため問題視されています。
また、多くの業務を一人でこなさなければならない環境から、清掃サービスの質を維持できなくなり、顧客満足度の低下につながる可能性もあります。
採用率を向上させるため、広告コストや賃金のベースアップなどの費用が増加。新たなスタッフを採用してもミスマッチなどにより短期間で離職してしまうケースもあり、費用がかさんでいます。
重大な課題であった人手不足は、コロナ禍による業務の減少により一時的に軟化。
しかし、同協会が2022年に行った調査では、従業員の募集について「著しく募集しにくい」「やや募集しにくい」と回答する事業所が70.5%にのぼり、という「契約料金が上げられない」→「賃金が上げられない」→「人材が確保できない」という負の連鎖が生じていることが分かります。
2. 人手不足を解消する3つの方法
離職を防ぐ新たな人材確保に奔走する前に、まずは今働いているスタッフの離職を防ぐことが重要です。
ビルメンテナンス事業を行う株式会社互幸ワークスは、社員のマネジメントに関するインタビューにて、「現場での不満を地道にキャッチアップして、密にコミュニケーションをとる」ことを重要視しているといいます。離職理由として多い体力の問題や人間関係の悩み、待遇面の不満に対して、悩みごとを打ち明けやすい環境を作ることが離職を防ぐ第一歩となります。
また、同じ業務を日々繰り返す客室清掃の業務においてモチベーションを維持するため、スキルに合わせた昇給など待遇を改善することも必要でしょう。
採用活動を行う際には、効率の良い採用方法を追求する必要があります。自社のアピールポイントや労働環境をきちんと伝えられなければ、求人広告を出しても応募がなかったり、採用のミスマッチによりスタッフがすぐに辞めてしまったりといった課題が生まれます。
毎日の運営に精一杯で採用活動に割く時間がない企業もあるかもしれませんが、人手不足を放置すると働いているスタッフにしわ寄せが行き、現在働いているスタッフも失う可能性があります。会社の存続に関わる問題に発展するため、少しでも効率的な採用活動を行いましょう。
人手不足により偏った業務負担を減らすため、システムを導入する企業も増加。業務効率化によりスタッフの時間・人件費を有効活用できることから、積極的な導入が進んでいます。
直接的に業務負担を減らす掃除用ロボットや、客室からリネン室への移動回数を減らす運搬コンテナ、フロントと清掃スタッフのコミュニケーションコストを減らすサービスなどが提供されています。スタッフ増員に向けた取り組みと並行して、現場の業務を効率化するサービスの導入も検討してみましょう。
3. 客室清掃を効率化!清掃管理システム「HOT/TEL C」
客室清掃管理システム「HOT/TEL C(ホッテルシー)」は、受付と客室清掃担当者間の情報共有を効率化。スマホやタブレットを用いたシステムで、リアルタイムな情報共有を実現するシステムです。
空室、チェックイン、チェックアウト、清掃中、清掃完了などのステータスを表示・変更可能です。記号や色など分かりやすく表示するため、フロント業務を行いながらでも一目で把握できます。一般的に「ルームインジケーター」と呼ばれる機能であり、宿泊施設で幅広く活用されています。
客室の状況を素早くチェックできることで、予定より早くお客様が到着された場合にも清掃済みの客室へ案内するなど臨機応変な対応ができるようになります。
シーツ交換、枕交換など、清掃・客室準備に必要な項目を自由に設定できます。施設ごと、部屋ごとに異なるチェックリストを適用可能。清掃スタッフは、全項目にチェックを入れることで清掃が完了します。
清掃項目を事前に用意しておくことで、属人的な作業ではなく施設全体で一定の清潔感・サービスレベルを担保することができます。清掃スタッフごとに作業項目や求める質が異なるなど、業務レベルの属人化を防ぎます。
シーツやアメニティなど消耗品の在庫管理を効率化する機能です。清掃スタッフが交換枚数・使用個数を入力すると在庫数を減らし、在庫が設定値を下回ると自動で発注メールを送信します。メール文章も自由に設定できるため、業者への自動発注も可能です。
アメニティが足りなくなるトラブルを防ぐほか、在庫管理・発注業務の手間を削減。接客やサービスの質を向上させるために時間を充てられるようになります。
清掃スタッフが客室で忘れ物を発見した場合には、写真を撮影し登録することで日時・客室とともに記録されます。
お客様からの問い合わせがあった際には、検索機能で簡単に探すことができます。
スタッフごとの作業時間を一覧とグラフで表示。施設・部屋ごとに作業ポイントを設定するため、部屋の広さに左右されない公平な評価が可能です。表示言語は日・英・中の3種類から選択することができます。
HOT/TEL Cには、3つの特長があります。
チェックアウト連絡や清掃完了報告など、従来内線電話で行っていた連絡の手間を省きます。お持ちのスマートフォンやタブレットを使用するため、特別な機器や設備無しにリアルタイムでの状況把握が可能です。
ルームステータス画面では、チェックアウト状況、清掃種別(ステイ清掃、アウト清掃)、清掃開始、清掃完了のそれぞれの状況を簡単に確認できます。清掃スタッフはスマートフォンやタブレットで、管理者はパソコンのルームインジケーター専用画面から、随時客室の状態をチェックできます。
また、予め用意された定型文を選択することで、個別の状況報告を行うことも可能です。
4. 清掃スタッフとの内線通話が無料になる『MOT/TEL』
清掃スタッフに素早く連絡がつく
清掃管理を行うスタッフの急な欠勤や人員不足など予定通り人員を集められない場合、すぐに新たな人員を配置しなくてはならない場合があります。
内線通話が無料になる「MOT/TEL」を利用すればスタッフ間の内線通話が無料になり、人員配置を変更する場合もすぐに連絡を取ることが可能になります。
受付スタッフを清掃スタッフに変更する場合や、やむを得ず休日に出勤をお願いする場合もお手持ちのスマートフォンから自分の電話番号を通知することなくアプリ専用の内線番号で連絡を取ることができます。
『MOT/TEL』を利用すれば会社の電話番号をスマホやPCで受けることができます。
会社への電話を該当のスタッフに同時着信することも可能なため、スタッフ応募の電話や、清掃の受注を取り逃がし他社に渡ってしまうことも防ぐことができます。
PCで電話を受ける場合、登録してある顧客情報を表示することができるためメモを取る必要が無くなりスムーズな対応が可能になります。
5. シフト管理を効率化する「MOT/Shift」
役割りごとに足りない人数を表示
シフト提出の期日になると、スタッフに自動でメール送信。システム上で清掃する場所や役割ごとに必要な人数を設定し、足りない人数を自動で表示できるため人員配置を効率化できます。
シフト管理だけでなく、勤怠管理機能もついているため、スマホで出勤打刻~退勤打刻した時間、給与を自動計算。集計にかかる手間を大幅に削減できるため離職の防止につながります。
6. まとめ
慢性的な人手不足を抱える清掃業。状況によりどうしても人員を集められない場合も多いことでしょう。適切なシステムを利用し人手不足を乗り越えていきましょう。
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