Q: 2020年4月から中小企業も適用!働き方改革とは?準備することは?
大手企業から適用されてきた働き方改革関連法案が2020年4月からついに中小企業にも適用されます。働き方改革を推し進める日本社会の流れは感じつつも、実際に働き方改革とは何?何を準備すれば良いのか?とわからないだらけの情シス・人事・労務の担当者へ「働き方改革とは?」や「なぜ働き方改革が必要なのか?」といった基礎的な情報をご紹介致します。
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1.働き方改革とは?
1.働き方改革とは?
日本社会が抱える様々な労働問題に対し、解決するために日本政府が提唱・政策の制定・施行を行った一連の改革を働き方改革と呼びます。 目的は厚生労働省のサイトには
『働く方々が、それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するために。』
参照:https://www.gov-online.go.jp/cam/hatarakikata/about/
と記載されています。
詳しく説明すると、日本は超高齢化社会になり働き盛りの15歳以上65歳未満の人口層である生産年齢人口の方々が親や配偶者の介護・自身の病気・子育て等の事情に応じた勤務形態(テレワーク・在宅勤務・時短勤務など)を自由に選択し、「離職」や「ずっと働けない」状況を選択せざる負えない状況ではなく、働きながら介護や育児などを行える環境や趣味や休暇をしっかりとれるワークライフバランスを整えようというのが働き方改革の目的です。
働き手が増えれば国にとっては税収の増加や世帯年収の増加による消費の回復などが見込めます。企業にとっても労働力の確保と生産性の向上が見込めるので働き方改革は労働者・企業・国の3社にとって良いことなのです。
働き方改革関連法案の具体的な内容は、下記表のように残業時間の規制や同一労働同一賃金による格差是正などが挙げられます。
ではなぜ国が強く働き方改革を推し進めているのか、原因を探っていきます。
2.働き方改革が必要な理由
2.働き方改革が必要な理由
日本社会は様々な労働問題を抱えています。 まず取り上げる問題が人口の減少です。日本の人口は急激に減少していくと推測されています。人口置換水準(親世代と子世代の人数が等しくなる出生率の水準。日本の場合は2.07)が1974年には既に下回っていましたが、死亡数が出生数を下回っていたので緩やかに総人口は増加していましたが、1990年台頃から死亡数が出生数を上回り、ついに人口の減少に転じました。人口が減少すれば自ずと生産年齢人口も減少に移り、企業の人手不足が深刻となりました。
次にご紹介する問題が、労働時間です。 下記の表は日本の長時間労働者の割合比較です。
日本の長時間労働の割合は欧米諸国と比べても高い値になっています。
ではその長時間労働の成果(生産性)はどうでしょうか?下記のグラフはOECD加盟国の労働生産性を比較したものです。
36国中20位と決して高くなく、長時間労働割合が低い欧米諸国と比較しても負けています。生産性の低い労働を長時間している現状がわかります。
更に休日の日数も見て行きましょう。下記グラフは総合旅行サイト・エクスペディアが調査した有給休暇の取得率のグラフです。
有給の取得率も低い水準となっています。
この様に日本の労働環境は海外のように『休暇の為に働く』ではなく『仕事の為に休む』状況となっており、長時間労働が当たり前の状況が介護・育児などを抱えた社会人の就労を阻害しているのです。また、趣味などの個人の時間をとりづらく肉体的にも精神的にも疲労しているのではないでしょうか?
この状況を改善する指針こそ働き方改革なのです。
3.働き方改革を形だけ導入するデメリット
3.働き方改革を形だけ導入するデメリット
働き方改革は働きたい人が健康に働ける環境を作ることなので、残業0を無理に推し進めたり、今まで休日であった夏季休暇をなくして有給休暇を取得させるというような形だけ採用することは働き方改革とは言いません。働き方改革を形だけ取り入れると社員の負担を逆に増やしてしまったりモチベーションの低下に繋がります。
例えば、上記の残業の場合で説明すると残業0を推進した会社に従い今まで残業で補っていた業務量を効率化することにより定時内で終わらせることに成功した優秀なAさんと今まで通りダラダラと仕事を続け残業して終わらせるBさん、元々の基本給と残業代が同じだった場合を比較すると、結果優秀なAさんの給料の方が低いという現象が起きてしまいます。
これは働き方改革に合わせた人事評価制度を変更しないまま、残業0という形だけ導入してしまった失敗例です。
また、残業を一律禁止などにした場合、業務量は変わらないのでタイムカードを切ってから業務を行うサービス残業や家へ持ち帰って業務を行うといった本末転倒な環境を作ってしまいます。
そのようにならない為にも働き方改革の事前準備は必要です。
4.働き方改革に対応する為に必要な準備
4.働き方改革に対応する為に必要な準備
働き方改革を成功に導くためには、生産性の向上が不可欠です。生産性の向上には無駄な作業の廃止・システム導入による自動化が必要です。また、業務をオフィス以外でも出来るようにリモートアクセスやどこでもコミュニケーション(電話・FAX・チャットなど)が取れるようなシステムの導入も不可欠となってきます。
その為には、まず自社がどのような働き方改革を推進するのか決める必要があります。
- ・現状の働き方・場所で生産性を向上させる
- ・場所を問わない働き方を実現させる
の2択となります。どちらにするかはそれぞれの企業によって異なります。業種などによっても出来ること・出来ないことがありますので自社の最適を見つけてください。
さらにオフィス外での働き方を認める場合、オフィス外でも同じ業務が出来るようにシステムの導入はもちろん、上司と部下が別の場所で働くことになるので評価の仕方(人事評価)も事前に決める必要があります。大きく分ければこの2点です。
仕事が効率よく出来て、それが評価されるのであればモチベーションも上がります。
2020年4月の中小企業にも働き方改革関連法が適用される前に、しっかり準備をして働き方改革を成功に導きましょう。
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